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枕を捨てられなかった

枕がぶっ壊れていたので無印良品で新しいやつを買ってきた.低反発の素敵なやつ.お役御免の枕はとっとと捨てようと思ってゴミ箱に入れようと思ったら,謎のすごくつらい気持ちが仁丹あたりからせり上がってきた.しかし捨てられるものは捨てようと思っているので,つらい気持ちをおさえて枕をすごく大きいゴミ箱に入れた.

 

入れた後もゴミ箱のそばを歩くたびに枕のことが気にかかった.枕の入ったゴミ箱に他の一般的なゴミを投入するのが本当につらかった.そういえばずっと前からつかっている枕だ,いま書いていて思い出したけど高校生くらいの頃からつかっている.全く愛着のない枕だったけど,睡眠の大好きな自分がほとんど毎晩いっしょに寝ていた枕なのだ,朝は背もたれに使っている枕だ,しかし枕カバーは最近変えたから昔とは見た目が違う,しかし,しかしその薄い枕カバーという表皮の中には,明らかに5年以上寄り添ってきた物が存在している,枕はつらそうだ,おかしい,おれは枕にこんな思いを抱くはずではなかった,全くの不意打ち,このゴミ箱に捨ててしまった枕は綿とプラスチックの入った袋ではない,『壬生義士伝』の斎藤一は人間を糞袋とか言ってて本当に中二病だ,この枕は生きている,かわいい…

 

3つ目くらいの紙くずを投入した時点でつらさに耐えられなくなったのでゴミ箱から枕を取り出して別の場所に安置することにした.つらすぎる.新しい枕はマジ最高,どうしよう,本当に.