インターネットの形

インターネットを使いまくる今あるいは今後の社会の諸相を理解ないしは予期したければ,インターネットそのものの構造をちゃんと把握するのがオススメだと思う.インターネットはメディアとしての側面があるからその姿を把握するにはしばしば情報過多になったりするから,ほんとうの姿を誤解しがち.『インターネットの銀河系』とか読んだほうがいい.インターネットは多極分散型のネットワーク(のネットワーク)であるっていうのが重要.だから例えば,通信がその機能であって,情報の保存なんていうのはインターネットの機能ではなくて,ストレージの機能.アニメやゲームの影響だと思うんだけどインターネット上に記録された情報はずっと残るみたいな認識している人がときどき見られて,そんなわけはない.頭でっかちなアニメに出てくる頭でっかちな草薙素子はネットの世界で生きるなどと主張したけどそのうち普通に消える.太陽がなくなってもエヴァンゲリオンは生き続けるなどと発言した頭でっかちな理系であるところの碇ユイと同程度の誤認識だと思う.インターネットは今を共有するネットワーク.1990年代前半のインターネットには1970年代の情報はあんましなくて1990年代前半の情報があったはずだし,いまだって1890年代とかの情報とか全然ない.いまあるのは2013年下半期の情報.むしろインターネットを介した情報蓄積においては情報は高度に取捨選別される.長期的に見て1920年代のお粥の情報とかはインターネット上には残らない.