「自由時間」について

駒澤大学の広告にとてもいいことが書いてあったので、以下全文を転記します。

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自由時間は、
なぜ、必要か

自由時間、というと何を思い浮かべますか。スマホでゲームをしている時間?それとも、友達とカラオケをしている時間でしょうか。古代ギリシアの哲学者アリストテレスは、幸福は自由時間にこそ存在すると主張しました。この考えを後世の経済学者たちが批判しながら継承し、すべての経済活動や科学の発展は、労働時間を減らし、自由時間を増やすためにある、という真理に行き着いたのです。しかし、現実はどうでしょう。技術の進歩によって短時間でモノがつくれるようになっても、人々の労働時間は減るどころか、むしろ増えてきました。そうやって生み出された価値を人口のごく一部が独占し、多くの人は貧困や荷重労働に苦しんでいます。現代社会では所得だけでなく、自由時間にも大きな格差が生じているのです。

自由時間はギリシア語で「スコレー」といい、これは「スクール」の語源です。社会に目を向け、人と議論を交わし、思索を深めることで成長していく。その場所こそが学校であり、その時間こそが自由時間に他なりません。貴重な貴重な大学四年間、ぜひ、最高の「自由時間」を過ごしてください。

(経済学部 商学科 教授 姉歯暁)

筆者は、大切なのは「自由時間を作る」ことだと思います。大学にしか「自由時間」がないのではない。「自由時間」を日々の生活のなかでいかに作れるか、これこそがわれわれ人間の知性の源泉であると思います。